【Materials & MethodsのMoveとStep】
多くの研究で同じような研究方法が用いられるので、Materials & Methodsは、論文間の類似性が高い。そのため、たくさんのキーフレーズが抽出された。Materials & Methodsの分析では、小見出しごとに以下の4つのMoveはどれかに割り当てられた。
l MM1: Describing Study Design and Subjects(研究デザインと研究対象)
Ø MM1-Step1: Describing study design(研究デザインの概略)
Ø MM1-Step2: Describing selection of participants(研究対象の選択)
Ø MM1-Step3: Describing ethics(研究倫理)
Ø MM1-Step4: Describing role and responsibility(役割と責任)
l MM2: Describing Research Methodology(研究方法)
Ø MM2-Step1: Describing procedure(方法)
Ø MM2-Step2: Describing evaluation(評価)
l MM3: Describing Statistical Analysis(統計分析)
Ø MM3-Step1: Restating subjects(対象)
Ø MM3-Step2: Describing statistical procedures(統計分析の実施)
Ø MM3-Step3: Describing the purpose of analysis(分析の目的)
Ø MM3-Step4: Describing criteria for statistical significance or data expression(P値の基準とデータの表示方法)
l MM4: Describing Role of Funding Source(資金提供者の役割)
Ø MM4-Step1: Describing role of funders(資金提供者の役割)
Ø MM4-Step2: Describing authors’ responsibility(著者の責任)
MM1では、研究デザインと研究対象について述べる。方法の概略(MM1-Step1)、研究対象の選択(MM1-Step2)、研究倫理(MM1-Step3)、役割と責任(MM1-Step4)、に分けられる。これらは、同じ小見出し内でまとめられる場合もあれば、異なる小見出しに分けられる場合もある。よく使われる小見出しとしては、「Study design and oversight」「Patients」「Study population」「Randomization」「Masking」などがある。
MM2では、具体的な研究方法について述べる。方法(MM2-Step1)や評価(MM2-Step2)について説明する。よく使われる小見出しとしては、「Procedures」「Intervention」「End points」「Outcomes」「Adverse events and safety」などがある。
MM3では、統計分析について述べる。統計分析(MM3-Step2)について述べるだけでなく、研究対象(MM3-Step1)や分析の目的(MM3-Step3)についても述べられることが多い。また、P値の基準とデータの表示方法(MM3-Step4)についても述べる。小見出しとしては、「Statistical analysis」がよく使われる。
MM4では、資金提供者の役割について述べる。Materials & Methodsは、独立した項目として示されるかどうかは、ジャーナルによって異なるので注意しよう。内容は、資金提供者の役割(MM4-Step1)と著者の責任(MM4-Step2)に分けられる。小見出しとしては、「Role of funding source」がよく用いられる。
上述したように、Materials & Methodsのセクションは、内容ごとに小見出しを立てて記述するのが一般的である。従って、まず適切な小見出し案を作り、それに従って内容を記述するとよいであろう。よく使われる代表的な小見出しをMoveごとにまとめると以下のようになる。
・代表的な小見出し
MM-1: Study design and oversight Patients
Study population Randomization Masking
MM-2: Procedures Intervention End points
Outcomes Adverse events and safety
MM-3: Statistical analysis
MM-4: Role of funding source