タイトルは、論文の理解を助ける極めて重要な情報をもたらすので、必ずチェックしておこう。タイトルには複数の専門用語キーワードが含まれるので、まずはそれをじっくり見て頭に入れておくことが大切だ。さらに、タイトルが示している内容についても、ザックリでいいので理解することができたら満点である。
タイトルを読み解く際には、以下の2点に留意するとよい。
- タイトルでは、キーワードとして研究対象と着眼点を示すことが多い。
- タイトルには、区のタイトルと文のタイトルがあり、使い方が異なる。
タイトルに示される専門用語キーワード
タイトル中には、複数の専門用語キーワードが含まれることが多い。キーワードを、研究対象と着眼点に分類するとタイトルや論文の内容を理解しやすくなる。研究対象と着眼点は、Introductionにも登場することが一般的なので、合わせて確認しておこう。
研究対象
タイトルでは、専門用語キーワードを使って研究対象を示す。研究対象は、通常、Introductionの冒頭から登場する。IM-1では、研究対象の重要性を強調し、さらにそれに関する課題を示すことが多い。
着眼点
着眼点とは、研究に新たな展開(オリジナリティー)をもたらす第2の主役である。研究対象と組み合わせることによって、新たな知見をもたらすものだ。モノだけでなく、方法や観点であることも多い。Introductionの途中から、登場することが一般的である。
研究対象と着眼点の区別
研究対象と着眼点の区別は、タイトルを見ただけでは分かりにくい。研究の内容次第だからだ。これらを判別する最もよい方法は、Introductionでのキーワードの分布を比較することである。研究対象は、通常、Introductionの冒頭(IM-1の冒頭)から登場し、Introduction全体で繰り返し言及される。一方、着眼点は、Introductionの途中(IM-2)から登場する。従って、タイトルで示された専門用語キーワードがIntroductionでどのように使われているかを調べれば、どれが研究対象で、どれが着眼点かが分かる。
タイトルの形式と内容
分野にもよるが、タイトルは句で示される場合と、文で示される場合とがある。
句のタイトル:課題・成果物
句のタイトルでは、課題が示されることが多い。句のタイトルを読み解く際には、「〜について調べる」という言葉を補って考えるとよいだろう。ただし、化学論文などでは、課題よりも成果物が示されることが多い。その際には、「〜を制作した」という言葉を補って読み解くとよい。
文のタイトル:結論
文のタイトルでは、結論が示されることが多い(ただし、疑問文の場合は課題を示す)。文のタイトルの方が句のタイトルより明確で理解しやすい。文のタイトルは、句のタイトルよりも語数が多くなる傾向がある。
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