なぜ英語論文を書かなければならないのか? アクセプトまでの戦略!

学位を授与された学生

博士課程の大学院生にとって、なぜ英語論文を書くのかと、そのための戦略は何か、ということは常に意識しておかなければならない。博士号を取らなければ、何のために大学院に入ったのか分からないではないか!

少なくとも、ここで述べていることは、最低限、意識して欲しい。

目次

なぜ英語論文を書くのか?

なぜ英語論文を書くのかについては、右図に示す3つの理由が考えられる。

博士課程を修了して、学位を授与されるための条件として、ジャーナルに英語論文を発表することを課している大学が多い。First authorであれば、共著論文でよいのだが、指導教員(corresponding author)が書いてくれるのを待っていては、いつまでたっても論文は完成しない。自ら戦略を立てて、論文作成に臨む必要がある。

また、大学教員にとってみれば、英語論文を書くことは最重要課題だ。

アクセプトまでの時間は?

投稿からアクセプトまでにどれぐらい時間がかかるかは、大学院生にとって特に大きな問題である。投稿から最初の返事(first decision)までが最低1ヶ月。その後アクセプトまでが最低1ヶ月。合計、最低2ヶ月と考えるのが妥当なところだ。投稿するジャーナルにもよるが、実際には6ヶ月以上かかることも多い。私の経験でも、2年以上かかったこともあるし、リジェクトを繰り返した場合は数年かかったこともある。

通常、論文には以下のような記述があるので、どれぐらい時間がかかるのかを見積もるときに参考にしよう。

Received: 24 June 2019; Accepted: 19 July 2019; Published: 23 July 2019

これは、私の最近の論文での最短の例で、1ヶ月足らずでアクセプト(採択)になったラッキーなケースだ(ただし、その前に、一度、他のジャーナルでリジェクトになっている)。Receivedが投稿した日、Acceptedがアクセプトの日、Publishedが出版された日である。一番重要なのは、Acceptedの日である。採択されなければ、学位申請ができない場合が多いからだ。また、その日が、論文のプライオリティが確立された日でもある。同じジャーナルの論文のReceivedからAcceptedまでの日数をいくつかチェックしたら、そのジャーナルで出版するのに必要な時間を推測できる。

最近は、ジャーナルのホームページに submissionからfirst decisionまでの日数と、acceptanceからpublicationまでの日数が書かれていることも多い。出版までの時間が早いことが、ジャーナルのセールスポイントになる訳だ。ただ気をつけたいのは、acceptanceからpublicationとは、アクセプトから出版までの時間であって、投稿からアクセプトまでの時間ではない。学位申請などの公的な書類に書くために必要なのは、publicationではなくacceptanceである。

リジェクトを繰り返さない戦略を立てよう!

もしリジェクトになった場合は、できるだけ早く他のジャーナルにトライしよう。その際、再投稿ではジャーナルのランクを下げることがポイントである。同じようなランクのジャーナルを狙うと、再び、リジェクトになる可能性が高いからだ。何度も、リジェクトを繰り返すと、論文を出そうという意欲が大幅に減退する。また、内容を大幅に変更したいという誘惑にも駆られる。”鉄は熱いうちに打て”。グズグズしていていては、ろくな事がない。ともかく、学位は早く確実に取得することが最優先事項である。

まとめ

論文投稿からアクセプトまで6ヶ月かかると考える必要がある。そのため、博士課程の最終学年になったらすぐに論文を執筆し、夏頃には投稿したいところだ。最初に原稿を書き上げてからも、共著者に意見をもらったら、英文校正を依頼したりと、あっという間に時間は経過する。ともかく、先手先手で、準備を進めよう!

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