【英語論文執筆】論文特有の英語表現を学ぼう!|初心者のための5ステップ(3)

英語論文を書くときによくある間違いは、頭で考えたことをそのまま文章にしようとすることだ。自由英作文なら、その方法で良いのかもしれないが、論文執筆にはお薦めできない。論文レベルの英語に上達するまでに、かなりの時間がかかるからだ。英語で論文を書くということは、日本語で考えたことを、当たらずといえども遠からずという英語表現に変換する作業である。必要なことは、述べたいことをかみ砕いて、英語論文のスタイルに合わせて組み立てることだ。言い換えると、よく使われる英語表現をどう組み合わせるかということである。以下の内容から、論文の組み立てに関する理解を深め、特徴的な英語表現がどのように使われるかを理解しよう。論文執筆の近道を見つけることができるはずである。

目次

MoveとStepとキーフレーズ

英語論文は、通常、Introduction, Methods, Results, and Discussion(IMRaD)の4つのセクションで構成される。各セクションをさらに細かく分析すると、「Section→Move→Step」の構造になることは別記事で述べた。ここでの話しは、この構造が基本になっているので、もし、分からない場合は、以下の記事を参照しよう。

本サイトでは、たくさんの論文を分析して明らかになった、Move特異的なキーフレーズを紹介している。ここでいう「論文特有の英語表現」とは、キーフレーズとほぼ同じものと言えるだろう。MoveとStepがストーリーの流れをつくる枠組みとすると、その中で実際の文の骨格となるのがキーフレーズである。これを組み合わせて、自分の述べたいことに近い英文を組み立てよう。

Introductionのキーフレーズの分類

以下は、臨床医学英語論文キーフレーズの分類と例である。実際のキーフレーズの詳細については、「臨床医学論文執筆支援プラットフォーム」を見てみよう。

  • IM1: 研究対象の背景
    • IM1-Step1: 研究対象の紹介
      • Group1: 定義 ——– 例)is a * cause
      • Group2: 特徴 ——– 例)is characterized by
      • Group3: 先行研究 – 例)studies have
    • IM1-Step2: 研究対象に関する課題
      • Group1: 問題 ——– 例)is controversial
      • Group2: 可能性 —– 例)has been estimated
  • IM2: 関連する先行研究と問題点
    • IM2-Step1: 重要な先行研究(着眼点)の紹介
      • Group1: 先行研究 – 例)studies have reported
      • Group2: 特徴 ——– 例)is associated with
    • IM3-Step2: 当面の問題の提示
      • Group1: 問題 ——– 例)is unknown
      • Group2: 可能性 —– 例)may be
  • IM3: 本研究の紹介
    • IM3-Step1: 本研究を行った目的
      • Group1: 目的 ——– 例)aimed to
    • IM3-Step2: 本研究で得られた知見
      • Group1: 知見 ——– 例)we report
    • IM3-Step3: 本研究の戦略
      • Group1: 戦略 ——– 例)we conducted

拙著「トップジャーナル395編の「型」で書く医学英語論文」も合わせて参照していただきたい。

図は、こちらのサイトで公開している、IM1-Step1のキーフレーズの一部である。別記事で示したように、キーフレーズの多くは、情緒的価値を提供して読者を印象づける役割がある。そこでは、多くの定型表現が使われる。よくある表現を使うことが、分かりやすい論文の作成つながるのだ。是非、このサイトを参照して、使える表現を見つけよう。

ただし、残念ながらキーフレーズは、論文で使われる表現のほんの一部に過ぎない。実際には、自分の研究により近いに論文を集めて、自分なりのキーフレーズを見つけることが必要だ。

Introductionの冒頭、つまり論文の書き出しが、次のようなフレーズで始まるのをよく見るだろう。ごくありふれた表現だが、それはそれで構わない。いずれもの例も、研究対象がいかに深刻なものであるかを読者に訴えつつ紹介する表現である。情緒的価値を提供する典型的なパターンといえだろう。causeを用いる表現が特に多い。

なお、生命科学英語論文のキーフレーズに関しては、拙著「ライフサイエンストップジャーナル300編の「型」で書く英語論文」に多数が収録されている。

キーフレーズと剽窃

論文の剽窃問題が話題になることが多く注意が必要だ。キーフレーズを使うと剽窃になるのではないかと心配する人もいるようだが、これは全くの杞憂である。確かに、一文を丸ごとコピペすると剽窃になる可能性はあるが、キーフレーズは文の一部に過ぎないのでその心配はない。むしろ、お手本論文を集めてまねることこそが、最も効率的な戦略といえよう。言い換えると、キーフレーズをうまく組み合わせることこそが、分かりやすい論文を書くためのポイントなのだ。

まとめ

英語で論文を書くということは、日本語で考えたことを、当たらずといえども遠からずという英語表現に変換する作業である。今後、翻訳ツールの発達によって、ますます日本語から英語への直訳は簡単になってくる。しかし、日本語と英語の対応は1対1ではない。従って、論文でよく使われる英語表現(キーフレーズ)に習熟していることの価値は、上がることはあっても下がることはないだろう。要所要所でキーフレーズを使って、論文を組み立てよう。

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